腎臓は加齢によって影響を受ける臓器であり、腎機能は年とともに低下する。
腎機能は時間当たりに糸球体でろ過される原尿の量(Glomerular filtration rate;GFR)で表される。
日本人の腎臓の大きさは40歳以下では両側で平均320gあるが、80歳以上では平均183gへと減少すると報告されている。
糸球体内の細胞数も加齢と共に減少するが、日本人では40歳以下の137個から97個まで減少する。
加齢により腎動脈や細動脈の動脈硬化も見られ、虚血による糸球体の変化やその糸球体の輸出動脈の支配下にある尿細管の虚血性変化が認められる。虚血により尿細管機能が失われるとその周囲は線維化し、やがて尿細管のあったところは瘢痕化する。
腎臓の血流は加齢によって減少する。この原因の一つは血管拡張能の低下にあり、高齢者では心房性利尿ペプチドやアセチルコリンによる腎動脈拡張能は低下している。また、腎血管抵抗が高く、高齢者では血管拡張作用を持つPGE2の産生量も低下している。
糸球体だけでなく尿細管も加齢による影響を受けるため、水・電解質代謝も加齢と共に変化する。
加齢によりレニンアンジオテンシンアルドステロン系の活性は低下する。 原因は遠位尿細管におけるアルドステロン反応性の減弱とNa保持へのRAA系の反応性の低下
(以上日本薬剤師会雑誌より)
腎臓の機能は、ビタミンD産生、エリスロポエチンの産生以外に主機能として、
| 糸球体ろ過 | 分子量40000以下の物質が濾しとられる。 |
| 尿細管分泌 | 糸球体でろ過されなかった物質の一部が尿細管へ移動(能動輸送) |
| 尿細管再吸収 | Na、水(H2O)らが再び血管内へ戻される(能動輸送、受動輸送) |
の3つがあります。
能動輸送とはエネルギー(ATP)を利用した輸送系、受動輸送とは浸透圧を
利用した輸送系をさします。
| 能動輸送 | 再吸収 | グルコース ガラクトース タンパク質 アミノ酸 ジペプチド |
Naイオンとの共輸送系 |
| 受動輸送 | フルクトース | 促進拡散 | |
| マンノース アラビノース 脂質 |
単純拡散 | ||
| 能動輸送 | 分泌 (近位) |
有機アニオン | 酸性薬物の分泌(プロベネシド) |
腎臓の生理物質で最も重要なのがレニンという物質です。レニンは腎傍糸球体装置で産生され、 肝臓に存在するアンジオテンシノーゲンに作用することで、アンジオテンシノーゲンをアンジオテンシンTに変え、血管収縮、アルドステロン分泌らに関わり、 レニン−アンジオテンシン系を形成します。
アンジオテンシン転換酵素(ACE)は気道血管内皮、ことに毛細血管内皮に豊富に存在する。
ACEは内因性生理活性物質であるSPとBKをC末端から2番目と3番目のペプチド結合間を加水分解し切断する。
したがって、ACE阻害薬は、SPとBKの分解も抑制し、気道平滑筋収縮、カプサイシン誘発咳反射亢進などSPとBKの生理活性を高めることが明らかにされている。
ACE阻害薬服用の10〜20%の人に咳が生じるとされているし、それは中高年の女性に多いとされている。 SPがなくなると咳が起こりにくくなる。
