アルドステロンは、 腎などの上皮組織並びに心臓、血管及び脳などの非上皮組織における鉱質コルチコイド受容体に結合し、ナトリウム再吸収及びその他の機序を介して血圧を上昇させる。
K保持性利尿薬であるスピロノラクトンの作用機序は、Na-K交換機構のアルドステロン受容体に拮抗することで、Na+の血液中への再吸収を抑制して血圧を下げるというものであるが、 SAB(選択的アルドステロンブロッカー)は、このNa-K交換機構のアルドステロン受容体だけでなく、その他の組織のアルドステロン受容体にも作用し、結果的にアルドステロンによるNa貯留を抑えるばかりか、アルドステロン→ Na貯留から起こるレニンへのネガティブフィードバックも抑制することができる。
レニンは、レニン-アンジオテンシン系の図からもわかるとおり、最終的には”血圧を上げる”物質ですので、レニンが少なくなれば、血圧が常に下がっている状態が保てるわけです。
一方、日本人のように食塩の摂取量が多い場合は、食塩の摂取量が多い=Na+が多いことを意味するので、ネガティブフィードバックをかけずしてレニン活性は低下しています。
このような食塩によって誘発される低レニン高血圧は、食塩によって血圧が上昇しているので、アルドステロンやアンジオテンシンらの作用で血圧が上がっているときとは違って、ACE阻害薬、ATU拮抗薬など他の降圧剤は効きにくいといわれますが、SABはこのような低レニン型の高血圧であっても優れた降圧作用を示すといわれています。
つまり、SABは食塩摂取量の多い低レニン型の高血圧患者さんに適しています。
利尿剤以外の降圧剤との併用は問題ないですが、今主流のACE阻害orATU拮抗薬+利尿剤の組み合わせよりも、ATUの腎保護、心保護作用がない分、分が悪いのかもしれません。
併用禁忌薬としては、K保持性利尿薬と同じようにK+貯留を招くゆえ、カリウム製剤、そして、CYP3A4で代謝されることから、イトリゾールと併用不可、GFJ(グレープフルーツジュース)はなるべく一緒にとらないように伝えます。
| SAB | |
| セララ (エプレレノン) |
1日1回。Tmax:1.46h、T1/2:5h |
